昭和9年創業★太宰治が逗留した天下茶屋で富士山を眺めながら”ビール”と”ほうとう”

三つ峠を下山して向ったのが、御坂峠にある天下茶屋。太宰治が逗留していたことがあり「富嶽百景」の舞台となった場所でも有ります。

御坂峠 天下茶屋本店

御坂峠(みさかとうげ)は富士吉田から甲府方面へ抜ける峠。

かつて御坂峠を抜けるには御坂山と三つ峠山の間、標高1300mほどのところに掘られた旧御坂トンネルを通っていました(いまはもうちょっと西の標高1000mのあたりに国道137号の新御坂トンネルがある)。

その旧御坂トンネルの側にあるのが、昭和9年創業の天下茶屋(てんかちゃや)

三つ峠の金ヶ窪沢登山口からは1.5kmほど西のあたりに位置します。

天下茶屋は作家太宰治が逗留していたことがあり、ここが「富士には月見草がよく似合う」という名文句で有名な小説「富嶽百景」の舞台となっています。

もともとは太宰の師匠の井伏鱒二がここの2階で執筆活動をしていたのですが、男女関係の問題などで参っていた太宰をここで休養させるために呼んだようで、太宰は昭和13年の9月から11月までここの2階に滞在。

天下茶屋からは富士山と河口湖が見える。太宰が「風呂屋のペンキ画のよう」と評した景色で、晴れていれば本当に作り物であるかというぐらいきれいなのでしょうが、今回は曇ってきてしまって富士山がほとんど見えず。

天下茶屋の縁側で富士山を見ながらヱビスビール

天下茶屋は現在も営業しています。旧道でくねくねした山道をずーっと登ってこないとたどり着けない場所なのだけど、お客さんはいっぱい。車は前の道路に路駐です。でも、お店も広いので待たずに席につけました。

天下茶屋に来たらやってみたかったこと一つ目。富士山を見ながら酒を飲むこと。

太宰は昼間から富士山を見ながら酒を煽り気味に飲んでいたのじゃないか、という勝手な私のイメージではあるのだけど、それをやってみました。

太宰がここでビールを飲んだかどうかは不明ですが、少なくとも日本酒はよく飲んでいたもよう。私はここまで走ってきて汗かいてたのでヱビスビール(中瓶700円税込)。

「太宰風地酒」というのもあって気になったんですけどねー。

 

天下茶屋の名物「放蕩」ならぬ「ほうとう」を食べる

天下茶屋に来たらやってみたかったこと二つ目。天下茶屋の名物であり山梨の郷土料理の「ほうとう」を食べること。

太宰治が「ほうとう」を出されて「放蕩」と侮辱されたとおもい不機嫌になったという話があるそう。郷土料理の名前であると説明を受け食べてみて、好物になったらしいのですが。

天下茶屋のスタンダードな「ほうとう」は1080円。味付けは自家製の味噌を使用。満足できる味でした。

ちなみに「ほうとう」は煮込むので提供まで20分以上かかります。

天下茶屋の名物料理はほかに「いもだんご」「木の実味噌田楽」など。

お土産として売っている「木の実せんべい」も山椒の香りがしてなかなか良かったです。

 

天下茶屋の2階「太宰治文学記念館」を見学

天下茶屋に来た目的三つ目、天下茶屋2階にある太宰治文学記念館を見ること。天下茶屋利用者は無料で入場できます。靴を脱いでレジ横の階段を2階へ。

太宰が滞在した部屋とは違うのでしょうが、たぶんこんな雰囲気の和室に滞在してたのでしょう。

天下茶屋2階からの眺め。やっぱり2階からのほうが富士山が良く見える。

太宰治が使用した机と火鉢。そっか、こんな机で原稿を書いていたのかー、と感慨にふける。

それから、太宰が滞在していた部屋の床柱。

文学記念館といってもそんな広くない。一部屋のガラスケースのなかに、太宰の初版本や、太宰の愛用品、天下茶屋の昔の写真などが飾られています。

太宰が愛用した「徳利と杯」。熱燗を好んで飲んでいたのでしょうかね。

旧御坂トンネル

天下茶屋の外に出ました。富嶽百景の中にもちょっと記述がありますが、旧御坂トンネル。奥がぜんぜん見えない。

太宰治文学碑

天下茶屋より道路を挟んで西、ちょっと上ったところに「富士には月見草がよく似合ふ」と書かれている太宰治文学碑がありました。